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2023.03.16

猫に多い腎不全について

猫は腎不全をはじめとする腎臓疾患にかかりやすい動物です。
だからこそ、飼い主さんがより注意して、普段の様子を見守る必要があります。

どのような部分をチェックすればよいのか、猫の健康のために覚えておきましょう。

猫の腎不全を予防する7つのチェック

猫の腎不全は知らない間に進行するため、気づいたときには食事を摂らなくなっていた、元気を取り戻せなかった、という例が少なくありません。

手遅れにならないために、7つのチェック項目を解説いたします。

定期的な健康チェック

腎臓疾患を早期発見するなら、定期的な健康診断が欠かせません。
動物病院で定期的に血液検査、尿検査をしていれば異常に気づきやすく、猫の症状に適した対処ができます。

猫が健康かどうか、今後どのようにケアするべきか、かかりつけ医で相談しながら、食事や生活習慣を整えましょう。

定期的に検査を受けていても、腎臓疾患が進行する場合があります。
これから紹介するチェックが当てはまる場合は、検診の時期でなくても動物病院を受診してください。

 

水を飲む量のチェック

腎臓の調子が悪いと、水を飲む量が増えます。
普段よりも早く水がなくなる、水をがぶ飲みしている、という場合は腎臓疾患を疑ってみましょう。

水分不足になってしまった場合、猫が脱水症状を起こす恐れがあります。
腎臓のトラブルを指摘されたら、きれいな水をたっぷり用意しましょう。

 

尿量や色のチェック

猫はもともと尿が濃い動物です。
ですが、腎臓にトラブルが起きている場合、水分摂取量が増えるため、おしっこの色が薄くなります。

おしっこの色が薄い、量が多い場合は、腎臓疾患を疑ってみましょう。

尿の変化だけでなく、下痢や便秘がみられるケースもあります。

正しい診断を受けるために、尿の含まれたペットシーツや便を持参する、もしくはカメラで撮影しておきましょう。

 

口臭のチェック

腎臓が悪くなると、身体に毒素がたまりやすくなり、口臭が強くなります。
年齢によって、口臭が強くなる猫ですが、腎臓疾患の場合はアンモニア臭のような独特の匂いがあります。

症状がひどくなると、嘔吐する場合もあります。
これまでとは違う口臭に気づいたら、動物病院で相談してみましょう。

 

食欲のチェック

腎臓の具合が悪くなると、食欲が落ちるケースが少なくありません。
食べる量が減っていないかどうか、普段からよく観察してください。

腎臓に問題がある場合、適した療法食に変更する必要があります。
フードの見直しも含めて、獣医師に相談しましょう。

 

体重のチェック

腎臓疾患を抱えていると、食欲が落ちやすいこともあり、体重にも変化が表れます。
体重が落ちていないかどうか、自宅でこまめにチェックしておきましょう。

人間の場合、1日単位で1kgくらいの増減が起きますが、身体の小さな猫の場合、100g~200gの減少でも注意が必要です。

 

毛艶のチェック

腎臓が悪くなると、毛艶が悪くなりがちです。
年齢を重ねるごとにお手入れの頻度がへり、毛艶が悪くなりがちですが、腎臓疾患の場合も毛並みに変化が表れます。

まだ猫が若いのに毛艶がない場合、毛が束になる毛割れが見られる場合は、原因を探ってみましょう。

 

まとめ

猫の腎臓病はステージ1~4まであるのですが、症状がほとんどみられないステージ1の時点でも、残されている腎機能は1/3程度といわれています。

一度失われた腎機能はもとに戻せないため、早期発見の上、残された機能を大切にしなければいけません。

猫の腎臓疾患に気づかない場合、慢性腎臓病が進行し高血圧を発症、高血圧による網膜剥離で失明するケースもあります。

定期的な健康診断と家庭でのチェックで、重篤な状態になってしまう前に対処しましょう。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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