- 病院に行く
2023.03.16
病院に連れていきたいけれど捕まらない!
「猫を動物病院に連れていきたいけれど、嫌がって捕まらない」
そんな経験はありませんか?
野良猫を保護したい、自宅の猫をワクチンや検診に連れていきたい、という場合、どうやって捕まえれば良いのか、獣医師が解説いたします!
野良猫を捕まえたい場合
「近所の野良猫を保護したい」
「近所で猫の赤ちゃんが生まれた」
という場合、保護して里親を探してあげると、猫にとって幸せな毎日が待っています。
一方で、賢い野良猫は、そう簡単に人には近づかず、捕まえるのが困難なケースが少なくありません。
気になる野良猫をみかけたら、まずは耳にカットがあるかどうか確認しましょう。
さくら猫とも呼ばれる耳にカットがある猫は、去勢・避妊手術が済んでいる証拠です。
この場合は、地域猫として暮らしているケースが多いため、様子を見守りましょう。
仔猫と一緒にいる母猫、妊娠している母猫の場合は、早めの保護が必要です。
猫用の捕獲機を使ったり、保護団体に相談したりして、動物病院へ連れていきましょう。
自宅の猫を捕まえたい場合
自宅の飼い猫が捕まらない場合、洗濯ネットを活用しましょう。
捕まえる場合、トイレ中、ごはん中などのリラックスしている時間は避けます。
洗濯ネットに直接入れるのが難しい場合は、毛布や大きめのタオルでくるんでからにしましょう。
洗濯ネットは窮屈なサイズではなく、毛布用などの大きめサイズを選びましょう。
この時、上部も開くキャリーバッグを選んでおくと、
- 洗濯ネットごと猫を入れやすい
- キャリーバッグに入れたまま診察できる
というメリットが待っています。
どうしても捕まらない猫の場合は、動物病院でサプリメントや鎮静剤を処方してもらう、という手段もあります。
動物病院のサプリメントや鎮静剤は安全性が高いこと。
猫の恐怖や不安を取り除けるからストレスを軽減できること、といった良い面があります。
まずはかかりつけ医に相談して、定期的に通院できる体制を整えましょう。
普段からキャリーに慣らしておこう
猫をストレスなく病院に連れていくには、普段からキャリーに慣らしておくのが一番です。
病院へ行くたびにキャリーバッグを出していては、キャリーバッグ=病院だと覚えてしまいます。
リビングに普段からキャリーバッグを置いておいて、寝心地の良い空間にしたり、おやつを食べる場所にしたり、といった生活を送りましょう。
お気に入りのおもちゃ、お気に入りのタオルなどを入れておくのも良い方法です。
上半分を外せるタイプであれば、気軽に入りやすいため、より抵抗なくキャリーで過ごせます。
キャリーバッグが猫の好きな場所になれば、通院時の不安や恐怖を最小限にできます。
通院時は、知らない風景に戸惑わないように、大きめの布をかけて移動しましょう。
暑い時期は熱中症にならないように、薄手の布を選んでください。
病院では穏やかな声かけを
動物病院が苦手な猫の場合、診察時に暴れてしまうなど、普段とは違う行動を見せる場合があります。
このようなケースに備えるためにも、洗濯ネットが便利です。
飼い主さんも、猫の不安をあおらないように、「ダメ」「ちゃんとしなさい」といった叱るような声掛けは厳禁です。
「○○ちゃん」と静かに名前を呼んだり、「大丈夫だよ」と優しく声をかけたりして、安心させてあげましょう。
まとめ
野生の猫も、家で飼っている猫も、危険を感じている時は、そうかんたんに捕まりません。
できるだけ不安にならないように、様子をうかがいながら、タイミングを見計らって洗濯ネットや毛布などを用意しましょう。
猫が嫌がるから、と通院をあきらめてしまう飼い主さんがいるのですが、大きな病気になってしまってからでは、適切な対処ができません。
定期的な健康診断、ワクチン接種、ノミダニ対策などで、愛猫の健康を守りましょう。
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