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  • 猫の健康管理

2023.03.16

太りすぎは万病のもと

猫の肥満はさまざまな病気の原因になります。
飼い主がこまめにチェックして、適正体重を目指しましょう。

猫が太っているからといって、安易に食事を減らすのは危険です。
ダイエットする場合は、猫に合ったペースで進めてください。

太っているとどんなリスクがあるのか、猫に適したダイエット法を知って、毎日健康に過ごせるようにしましょう。

猫の肥満はどう判断する?

猫の肥満は、BCS(ボディコンディションスコア)で判断します。
年齢に応じた平均体重も参考になりますが、猫によって体格差があるため、BCSでの判断がおすすめです。

具体的には、猫のろっ骨をボディチェックして確かめます。

BCS1:やせすぎ

ろっ骨に脂肪がなく、すぐに触れられる。
横から見るとお腹が深くへこみ、上から見ると砂時計のように見える状態。

BCS2:やせ気味

ろっ骨が薄い脂肪に覆われていて、腰にくびれがある状態。

BCS3:理想体型

ろっ骨がわずかな脂肪に覆われ、お腹がなだらかに盛り上がっている。腰には適度にくびれがある状態。

BCS4:太り気味

ろっ骨が脂肪に覆われ、触るのが難しい。お腹は丸みをおび、腰のくびれがほとんどない状態。

BCS5:太りすぎ

ろっ骨が厚い脂肪に覆われていて、触るのは非常にむずかしい。
お腹も厚い脂肪に覆われ、くびれがみられない状態。

飼っている猫が太り気味、太り過ぎの傾向にある場合は、標準体型を目指して生活習慣を改善しましょう。ダイエットの進め方は、この後くわしく紹介いたします。

猫が肥満だとどんなリスクがあるの?

猫が肥満だと、糖尿病や高血圧、心臓や呼吸器の疾患、膀胱炎、尿石症などの病気になりやすくなります。

ジャンプする機会が多い猫は、体重増加による関節への負担も心配です。
ひどい場合は、椎間板ヘルニアや靱帯断裂を起こす恐れもあります。

ぽっちゃりした猫は愛らしいですが、長生きしてもらうためにも、飼い主が体重管理しましょう。

正しい猫ダイエットのはじめ方

猫のダイエットは、負担がかからないように少しずつ進めます。
数か月~1年など、長期的な計画を立ててください。

ダイエットの進め方は、

  • 摂取カロリーを減らす
  • 運動量を増やす

 

この2つが基本です。

肥満と判断できるBCSレベルでも、痩せるべき体重は数百グラム程度、という場合があります。極端に食事を減らし過ぎないように注意しましょう。

目安として、1週間に1%前後の減量を心がけてください。

適正なカロリー量や1日にどのくらいカロリーを減らすべきか、適正と思われる体重はどのくらいか、獣医に相談しながら進めると安心です。

ご飯の場所を分散して食べる量や運動量を増やす、空腹を感じにくいように小分けにするのも良い方法です。

留守中のフード調整が難しい場合は、自動給餌器で量をコントロールしましょう。

食事管理と同じくらい、運動習慣も大切です。

キャットタワーや猫が楽しく身体を動かせるおもちゃを用意して、スキンシップを楽しみながら、運動習慣をつけましょう。

ひとり遊びができるおもちゃがあると、より運動量を増やせます。

多頭飼いの場合はどうする?

猫を2匹以上飼っている場合、太り気味の猫が他の猫のごはんを食べてしまう恐れがあります。

ダイエット中の猫がいる場合は、食事の場所を分けて与えるようにしましょう。
他の猫が食べ残したフードは、速やかに片付けてください。

食事をケージで与える。
1匹ずつ順番に与える、というのも良い方法です。

順番にあげる場合は、先住猫を優先してください。

まとめ

病気を未然に防ぐなら、適正体重の維持が欠かせません。
BCSをチェックして、肥満の傾向がみられる場合は、ダイエットをスタートしましょう。

欲しがるだけ与えるのではなく、決まった量を守る生活習慣も大切です。
減量用のフードもありますので、獣医師と相談の上、活用してみてください。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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