- 猫を迎える
2023.06.06
これって正常?
この記事の目次
動物病院で勤務していると、猫にとっては正常な行動、よくある事実を不安に思い、受診する飼い主さんがみられます。
はじめて猫を飼う場合、人とは違う習性の数々に、
「うちの猫は正常じゃないのかもしれない」
とつい心配してしまいがちです。
そこで今回は、猫との暮らし初心者さんのために、勘違いが多い猫の特性や行動について解説いたします。
中には、猫が本当に病気のサインを出している場合もあります。
こちらの記事と合わせてチェックして、猫の健康状態をたしかめてみてください。
実は正常!よくある猫の特性や行動5選
「これって大丈夫?」
飼い主さんが疑問に感じていても、実はまったく問題ないケースが多くあります。
慌てて動物病院へかけ込んでしまう前に、チェックしておきましょう
1.トイレの回数が少なすぎる
人は1日平均5~7回トイレに行くと言われています。
そのため、人と比較して
「猫のトイレが少なすぎるのでは?」
と心配してしまうケースです。
ですが、寝ている時間の多い猫は、1日3~4回くらいしかトイレに行きません。
現在のトイレ回数が2~4回程度であれば、そのまま様子をみましょう。
普段の回数を覚えておいて、1日に1回だけ、1日に5回以上など、回数に変化が出てきた場合は、動物病院で相談してください。
2.猫の心拍が早すぎる
猫の心拍は、1分間で平均120~220拍と言われています。
1分間平均が60~70拍程度の人と比べると、3倍近い速さで脈を打っている場合がありますが、正常ですので安心してください。
猫の心拍を定期的に測っておくと、受診の目安になります。
太ももにある大動脈、もしくは左脇腹の心臓付近に触れると、脈を感じられます。
激しく運動した後などは、さらに脈が速くなりますので、ゆったり落ち着いているタイミングを選んで、1分間の心拍をたしかめてみましょう。
3.ほくろが気になる
茶トラの猫など、人と同じようにほくろがある猫もいます。
「がんかもしれない」
と慌てる飼い主さんが多いのですが、毛のない肉球や口の脇、鼻、目の周りなど、さまざまな部分にみられます。
年齢を重ねるごとに、ほくろが増えていくケースもありますが、問題ありません。
ほくろ部分に、
・腫れている
・盛り上がっている
・触ると痛がる
・かゆそうにしている
・大きくなってきた
・境界が不明瞭
・ただれや潰瘍がある
といった様子がみられる場合、食欲低下や元気消失など他の症状がある場合は、病気の可能性があるため、動物病院を受診してください。
4.家具にすりすりするのは頭や身体がかゆいから?
猫が人や壁、家具などの頭や身体をこすりつける行動をマーキングと呼びます。
猫は非常に縄張り意識が高い動物です。
1匹だけで飼っていたとしても、目の前の飼い主さんや家、家具は自分の物、自分のテリトリーであることを表すため、においをつけようとします。
猫にとっては当たり前の行動で、身体がかゆい訳ではありません。
猫の習性だと心得て、見守ってあげましょう。
5.見えないものを見ている気がする
猫を飼っていると、誰もいないはずの場所をじっと見ている、という姿が多くみられます。
不安に感じて相談する飼い主が多いのですが、猫は人よりも優れた嗅覚や聴覚を持っています。そのため、人には聞き分けられない外の音、虫の動き、知らないにおいなどを察知し、様子をうかがっている場合がほとんどです。
特に心配する必要はありません。
まとめ
大切な猫だからこそ、ちょっとした変化やしぐさがつい気になってしまうものです。
「病気ではなさそうだけど、すこし不安に感じている……」
という部分があればメモしておいて、検診時にかかりつけ医へ相談してみると安心です。
人との違いに面白さを感じながら、猫と楽しい生活を送ってください。
- 猫を迎える