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2023.06.07
病気の時は獣医さんと相談して療法食を
猫の食事は、基本的に総合栄養食を与えます。
元気な猫は、体重や年齢に合った総合栄養食だけで元気に過ごせるのですが、病気を抱えている場合は、症状に応じた療法食が必要です。
療法食とはどんな食事なのか。
どのように選べばよいのか、分かりやすく解説いたします。
猫の療法食とは
猫の療法食とは、病気の治療を目的に栄養成分やその含有量が調整された食事を指します。
病気によって、食べてはいけない成分、より多く摂取した方が良い成分、カロリーバランスなどがさまざまです。そのため、目的別に幅広い療法食が販売されています。
市販されている療法食もありますが、猫の体調や病気の症状などに合わせて、フードは慎重に選ぶ必要があります。
「最近、良く水を飲んでいるから腎臓ケアをした方が良いかもしれない」
など、インターネット情報などをもとに療法食を選んでしまった場合、本来するべき治療が遅れてしまったり、隠されている病気を見逃してしまうケースがあるため、個人で選ぶのは控えましょう。
猫が病気だと分かったら、症状に応じた獣医師専用の療法食を処方してもらいます。
症状が落ち着いたからといって、勝手に止めてしまうのは厳禁です。
病気の種類によっては、その後ずっと療法食を食べ続けるケースもあります。
療法食をどのくらい与えれば良いのか、いつまで続ければ良いのか、獣医師の判断にゆだねてください。
猫の療法食の種類
猫の療法食にはさまざまな種類があります。
代表的な療法食をみてみましょう。
尿ケア
尿石症や膀胱炎など、下部尿路疾患を抱える猫のための療法食です。
弱酸性の尿になるように、ミネラルなどが配合されています。
体質により合うフードが異なるため、定期的に動物病院で尿検査や画像検査などをチェックしてもらいながら、最適な療法食を決定しましょう。
腎臓ケア
猫に多い腎疾患向けの療法食です。
リンやナトリウムの量を調整し、腎臓病の進行を遅らせます。
それほど悪くない早期の腎臓疾患から、進行した腎疾患用までステージに合わせたフードがあります。また便秘しがちな猫用にサイリウムを添加したフードなどもあります。
猫ちゃんの病期や症状に合わせて、獣医さんと相談しながら選んであげてください。
心臓疾患や関節病の猫に処方される場合もあります。
甲状腺ケア
甲状腺機能亢進症の猫に処方される療法食です。
症状を改善するためヨウ素の含有量を厳しく制限しているのが特長です。
アレルギーケア
皮膚のかゆみやかさぶた、脱毛、斑点、消化器症状など、アレルギーを起こしている猫のための療法食です。
食物アレルギーを持つ猫でも食べられるよう工夫された組成で、製造されています。
アレルギー用フードにも複数の種類がありますのでかかりつけの獣医さんと相談し、動物病院で処方してもらいましょう。
消化器ケア
消化器疾患を抱える猫のために製造されている療法食です。
消化器への負担が少ない、少しの食事でも必要なエネルギーを摂取できるなど、各種消化器ケアのフードにも特徴があります。
体重ケア
減量、体重管理に特化した療法食です。
急激な減量は体に負担がかかるため、猫のダイエットは少しずつ慎重に進めます。
獣医師指導の下、適切な体重ケア食で、理想体重を目指しましょう。
糖尿病ケア
糖尿病を抱えている猫のための療法食です。
低炭水化物、高たんぱく、血糖コントロールを目的に処方されます。
この他にも、
・去勢手術や避妊手術など、手術後向けの食事
・毛玉をコントロールするための食事
・仔猫期、シニア期など年齢に応じた食事
など、幅広い療法食、動物病院専売フードがあります。
定期的な通院や血液検査などで病気を早期発見。
適切な処置と必要な時は療法食の力を借りて猫に長生きしてもらいましょう。
まとめ
近年、インターネット通販サイトやペットショップなどで、動物病院専用品を目にします。
また、病物病院以外で購入した方が安価、というケースもあるようです。
ですが、療法食の多くが動物病院専用になっているのは、獣医師の診察のもと、正しい処方が必要、ということです。
療法食を食べはじめて、どのような変化があったのか、その経過をチェックするのも獣医師の役目です。
検査や診断に基づいた、本当に必要なフードを処方してもらい、必要な期間継続しましょう。定期的に診てもらっていれば、フードの変更が必要なタイミングで先生や動物看護士さんから声をかけてもらえるため安心です。
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