- 猫の健康管理
2023.06.07
避妊・去勢手術について 時期、メリット、デメリット
飼っている猫の繁殖を望まない場合、避妊・去勢手術を選択するケースがほとんどです。
なぜ避妊手術・去勢手術を受けるべきなのか。
最適な時期や注意点について、くわしく解説いたします。
不妊手術はなぜ必要?
避妊・去勢手術で得られるのは、望まない妊娠の予防だけではありません。
避妊・去勢手術を受けることで、
・発情期に外へ出られない、というストレスを軽減できる
・スプレー行為などのマーキングを未然に防げる
・乳腺腫瘍や子宮、卵巣の病気を予防できる
・鳴き声で周囲に迷惑をかけずにすむ
・同居猫へのマウンティングやケンカを防げる
といったメリットが得られます。
手術をしなかった場合、飼い猫がどんどん増えてしまい多頭飼育崩壊という事態にもなりかねません。
発情期の外猫の声を聞いて脱走してしまった、雄同士のケンカでケガしてしまった、というトラブルも多く報告されています。
猫は、
・1年中いつでも交尾できる
・交尾後に排卵するため、ほぼ100%妊娠する
・2ヶ月程度で出産する
・一回に4~8匹くらい産む
という特性を持つ動物のため、雄猫と雌猫を一匹ずつ飼っていただけでも、あっという間に増えてしまいます。
繁殖を考えていない場合は、猫にストレスを与えないためにも、近隣に迷惑をかけないためにも、適切な時期に避妊・去勢手術を検討しましょう。
手術はいつ受けるのが良い?
飼い猫の避妊・去勢手術は生後6ヶ月くらいが推奨されています。
身体が小さなうちに手術を受けることで、
・傷口が小さくて済む
・将来的な病気予防(子宮蓄膿症や乳腺腫瘍)
・異常発情による鳴き声予防
・マーキングの予防
といったメリットがあります。
すでに6ヶ月を過ぎている場合も、避妊・去勢手術を受けられます。
基本的には、発情期ではないタイミングを選んで、手術を検討しますが、持続発情している場合は、早めに手術するケースもあります。
子宮異常で異常な鳴き方が治らない、という場合もあります。
まずはかかりつけ医で相談してみましょう。
譲渡を予定している保護猫などの場合は、生後2~3ヶ月で早期不妊手術を受ける場合もあります。
手術代はいくらくらいかかる?
手術の費用は、選ぶ動物病院や性別によって変わります。
雄猫の場合は、5,000~20,000円が相場です。
手術時間が短く縫合の必要がないこと、日帰りで帰れる病院が多いことから、雌と比べて安価になっています。
雌猫の場合は、卵巣のみ摘出の場合10,000~30、000円。
卵巣と子宮を摘出する場合は、10,000~40,000円が相場です。
1泊入院での手術が一般的で、術後7~14日くらいに抜糸が行われます。
健康な子の去勢手術、避妊手術は病気ではないため、ペット保険の対象になりません。
自治体によっては、去勢・避妊手術の補助がでるケースがあるため、市役所などに事前に問い合わせてみましょう。
避妊・去勢手術後の注意点
メリットの多い避妊・去勢手術ですが、いくつか注意点があります。
リスクを知った上で、受けるかどうか判断しましょう。
麻酔の影響がでる場合がある
猫の手術は全身麻酔で行います。
問題ないケースがほとんどですが、猫が高齢の場合、腎臓病や心疾患、アレルギーが疑われる場合は、慎重に進める必要があります。
太りやすくなる
避妊・去勢手術後の猫は、基礎代謝が落ちるため、術前よりも太りやすくなります。
これまで通りごはんを与えてしまうと、肥満になる恐れがあるため、食事量の見直しが必要です。
まとめ
猫が幸せに暮らすために、仔猫を望まない場合は去勢・避妊手術を検討しましょう。
「開腹する避妊手術は痛いのでは?」
と心配する飼い主さんが多いのですが、手術前には術後に備えた痛み止め注射、術中は麻酔を使います。術後も痛み止めを処方できるため、痛みを最小限に抑えられます。
「思っていたよりも元気に帰ってきた」
という飼い主さんがほとんどです。
術後からご飯を食べない、吐くなどの症状があれば相談の上、適切な処置を受けてください。
手術の時期や方法など、分からないことがあれば、かかりつけの動物病院で相談しておきましょう。
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