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2023.06.07

かぜを引いたみたい

猫も人と同じように、風邪をひく場合があります。

人であれば、しっかり食べて眠るだけで治るケースがほとんどですが、猫の風邪が重症化してしまうと、命にかかわる場合もあります。

風邪の兆候にいち早く気づいて、ひどくなる前に正しく対処しましょう。

猫の風邪とは

人が風邪をひくと、さまざまな不快症状がでます。
似たような不調のことをまとめて風邪と呼びますが、実際はウイルス感染などが原因です。

猫の場合も同じで、ヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアといったウイルスや細菌感染のことを、まとめて「猫風邪」と呼びます。

免疫力の高い成猫の場合は自然治癒する場合もありますが、猫風邪に感染する=免疫力が落ちているケースが多いこと、複数のウイルスに同時感染するケースもあることから、早めの受診が推奨されています。

猫が風邪をひくとどうなる?

猫が風邪をひくと、このような症状がみられます。

・鼻水
・くしゃみ
・せき
・発熱
・目ヤニ
・涙を流す
・結膜炎
・角膜炎
・よだれ
・口臭が臭くなる
・口内炎や口内潰瘍
・気管支炎
・肺炎
・食欲低下
・元気がなくなる
・寝る時間が増える

このような様子がみられたら、猫風邪もしくは別の病気が隠れている恐れがあります。
重症化してしまう前に、動物病院で診てもらいましょう。

猫風邪の対処法はある?

猫風邪には、

・薬を処方してもらう
・注射や点滴を受ける
・ワクチンの接種で重症化を防ぐ

という対処法があります。

それぞれについて、くわしくみてみましょう。

薬を処方してもらう

猫に風邪症状がある場合、症状に応じて抗生物質や目薬、点鼻薬などが処方されます。
風邪に似た症状だからといって、人の風邪薬を猫に与えるのは厳禁です。

アスピリンやイブプロフェンなどは、アセトアミノフェン中毒を起こす恐れがあり、4~5kgのネコの場合、1錠で致死量になるケースがあります

かならず動物病院で処方してもらいましょう。

点滴を受ける

ウイルス抑制や水分補給などを目的に、注射や点滴処置が行われます。食欲が落ちている場合は、合わせて食欲増進剤が出される場合もあります。

ワクチンを接種する

猫の3種混合ワクチンには、猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症(パルボウイルス)の予防が含まれています。

ワクチンを打っても100%感染予防できる訳ではありませんが、接種しておくと猫風邪をひいてしまった場合の重症化を防げます。愛猫のためにも、定期的にワクチンを打っておきましょう。

猫風邪は予防できる?

猫の風邪は直接接触、もしくは飛沫感染で発症します。
猫を外に出さずに室内飼いする、多頭飼いをしている場合は、具合が悪い猫を隔離する、といった方法で予防できます。

免疫力を高めるために、

・栄養バランスが良い食事を心がける
・ストレスが少ない生活を送る
・運動できるスペースを確保する
・加湿器で部屋の湿度を調節する

といった対策を、普段からしておくのも良い方法です。

特に食生活は、栄養バランスの乱れが腸内バランスの乱れにつながります。
猫の年齢や体重に適した総合栄養食を、適量与えるようにしましょう。

まとめ

猫が風邪をひいてしまうと、2~3週間長引いてしまうケースがあります。
仔猫やシニア猫の場合、あっという間に重症化してしまう例もあるため、普段から猫の様子をよく観察しておきましょう。

普段とは違う様子に気付いたら、早めにかかりつけ医へ相談しておくと、適切に対処できます。

ヘルペスウイルスにかかってしまった場合、ウイルスがずっと身体に残るため、何度も繰り返す場合があります。

免疫力が低下したり、ストレスを抱えたりしない食生活、暮らしに配慮して、元気に過ごせる環境を整えてあげましょう。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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