猫とわたし

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2023.06.09

薬の飲ませ方

動物病院を受診した際、獣医師から薬を処方されるケースがあります。

この時、猫に薬を飲ませたことのない飼い主の場合、どうしたら良いのかわからず、戸惑ってしまいがちです。

猫に必要な薬を飲ませるために、上手に与えるコツを覚えておきましょう。

猫にはどんな薬がある?

猫に処方される薬は、大きく分けて、

・粉薬
・錠剤
・カプセル
・シロップ

の4種類です。

それぞれの飲ませ方をみてみましょう。

粉薬の飲ませ方

粉薬を処方されたら、まずごはんやおやつに混ぜる方法を試してみましょう。

ごはんやおやつに混ぜても食べてくれない場合、水に溶かして飲ませます。
溶かした薬をシリンジ(スポイト)に入れて、口の端から飲ませましょう。

この時、大量の水で溶いてしまうと、飲ませるのが大変になってしまいます。
できるだけ少量の水で溶き、数回で飲み終えられるようにしましょう。

早く飲ませたいからと言って、一気に飲ませるのは厳禁です。
誤嚥の恐れがあるため、少しずつ飲ませてあげてください。

錠剤・カプセルの飲ませ方

錠剤やカプセルを処方されたら、そのまま飲ませる方法をまず試してみましょう。

はじめに、猫のあごをそっと持ち上げるようにして、上顎の犬歯の後ろあたりを片手で抑えます。次にもう片方の手で下あごを下に押すと口を開きますので、のどの奥に薬を落としてください。

難しい場合は、口の端から錠剤やカプセルを入れても良いのですが、出されてしまう可能性が高くなります。

薬を飲ませたら、猫の口を閉じてしばらく待ちましょう。
のどをさすってあげたり、鼻のあたりに息をふっとかけるか、少量の水をスポイトで口の脇から含ませるとぺろりとするので、飲み込んだのを確認できたら投与完了です。

猫が暴れる場合はタオルでくるんだり、洗濯ネットに入れたりして投与してください。

食道で止まってしまわないように、投薬後は水やペースト状のおやつなどを与えましょう。

猫によっては、錠剤やカプセルを口に入れても吐き出してしまうケースがあります。

そのまま飲ませるのが難しい場合は、ごはんに埋め込んでみてください。
投薬用のトリーツが販売されていますので、活用してみるのも良い方法です。

ごはんや投薬用トリーツに埋め込んでも薬を嫌がる場合は、錠剤の場合はすりつぶしてから、カプセルの場合は中身を取り出して、粉薬の要領で与えてください。

薬の種類によっては中身を出さない方が良いケースもあります。分からない場合は獣医さんに確認しましょう。

シロップの飲ませ方

シロップの飲ませ方は、基本的に粉薬と変わりません。
ごはんにかけて与えてみて、嫌がるようならシリンジを使いましょう。

猫が薬を嫌がる理由

薬を処方され、嫌がらずに飲んでくれた、という猫は少数派です。
なぜなら猫は、苦みや酸味といった薬に多く使われている味が苦手だからです。

野生の世界で生き延びるために、苦味や酸味の強いものは危険だと判断し、できるかぎり排除しようとします。

なぜ身体に悪いものを口にしなければいけないのか、理解できないため、薬を避けるのです。

投薬を嫌がる猫の場合、薬のたびに押さえつけられたり、無理やり口の中に薬を押し込まれたり、といった時間が苦痛になります。

薬=嫌な時間だと認識してしまうと、薬の袋を目にしただけで逃げ出す場合もあります。

苦手な猫が多い投薬ですが、極力ストレスにならないように、あらかじめ準備を整えて、さっと済ませるようにしましょう。

まとめ

猫の持病や疾患によっては、毎日の投薬が必要な場合もあります。

飼い主も投薬に慣れていきますので、ごはん前の習慣などにして、すばやく終えるようにしてください。

「嫌がる猫に噛まれてしまった」
「暴れた猫に引っかかれてしまった」

というトラブルもあります。猫が攻撃的になっている場合は、厚手のゴム手袋をつけて投薬すると、飼い主さんを守れます。

「どうしても錠剤が苦手で飲んでくれない」

といった状況の場合は、獣医師の判断で別の薬や注射に変えてもらえる場合もあります。
投薬で困ったら、かかりつけ医で相談してみましょう。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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