猫とわたし

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2023.06.09

子猫を拾った時は

道端に猫が捨てられていたり、知人から猫を拾ったと相談されたり。
思いがけず子猫がやってくるケースが少なくありません。

拾った子猫を飼おうと決めている場合も、飼い主さんを探そうとしている場合も、まず猫のためにするべき行動やお世話があります。

何からはじめれば良いのか、獣医師が分かりやすく解説いたします。

まずは動物病院で診察

子猫を拾ったら、状態をたしかめるために、動物病院へ連れていきましょう。

一見元気そうに見えても、病気を抱えていたり、ノミが寄生していたりするケースが少なくありません。

先住猫がいる場合は、子猫の病気がうつってしまう可能性があります。

先住猫と遊ばせた後、シラミやノミの大量寄生が分かり、あわてて駆虫薬を取りに来られるケースもあるため、注意しましょう。
子猫専用のタオルや箱を用意して、健康状態が確認できるまでは、触れ合わないようにしてください。

動物病院では、子猫の健康診断をした上で、寄生虫駆除の薬を飲ませてもらえたり、ノミ駆除の薬を処方してもらったりできます。エイズや白血病の検査、ワクチン接種や避妊去勢の時期も相談しておくと安心です。

子猫を育てたことがない場合は、どんなフードを用意すれば良いのか。
何を買いそろえるべきかなど、お世話についてのアドバイスが受けられますので、相談してみてください。

生後どのくらいの子猫なのか、合わせて聞いておくと今後の参考になります。

子猫が病気にかかっている場合、長生きできないケースも考えられます。
考えられる治療法や費用について、良く説明を受けた上で、縁あって出会った子猫とどう付き合うのか、検討してください。

拾った子猫をお世話する4つのポイント

子猫を拾ったら、元気にすくすく育てるために、お世話をはじめましょう。
覚えておきたい4つのポイントを、くわしく解説いたします。

ポイント1:汚れを落とす

外で拾った子猫は、泥やほこりなどさまざまな汚れがついています。
今すぐお風呂に入れたくなりますが、まだ小さな子猫は体力や免疫力があまりありません。

はじめてのシャワーやお風呂で疲れてしまう、きちんと乾かせず体温が失われてしまう、という可能性があります。

まずは濡らしたタオルで汚れを拭いてあげる程度にして、様子をみながらお風呂に入れると安心です。
汚れや臭いがひどい場合は、獣医師に相談の上、指示を仰ぎましょう。

ポイント2:温かい環境を作る

自宅に帰ったら、子猫が安心して過ごせる、温かい環境を用意しましょう。
特に冬場は、身体が冷えやすく、体力が奪われてしまいます。

エアコンの効いた温かい部屋に、タオルや毛布を敷いた箱を置いてあげてください。

箱の上にタオルをかけて、うす暗くしてあげると落ち着く場合があります。
子猫が鳴いてばかり、子猫がそわそわしている、という場合は試してみてください。

ポイント3:食事を用意する

獣医師の指導のもと、子猫用のミルクやフードを与えましょう。

「拾った時間が遅く、ペットショップやドラッグストアなどが開いていない」
という場合は、人肌に温めた牛乳や、コンビニで購入できる成猫用フードを一時的に与えても構いませんが、手に入れば早めにペット用に切り替えましょう。

拾った後は毎日体重を測って、成長をたしかめましょう。
食事の前など、時間を決めておくと忘れずに測定できます。
順調であれば毎日少しずつ体重が増えていきます。増えない場合は給餌量を少し増やしてみてください。

ポイント4:排泄させる

生後3週間くらいまでの子猫は、まだ自力で排泄できません。
食事の前に、湿らせたガーゼで尿道や肛門を軽くトントン刺激すると、排泄を促せます。

白いペットシーツを敷いた上で排泄させると、おしっこの色をチェックしやすく便利です。尿の量が少ない、尿が濃い黄色、という場合は、獣医師に相談してみましょう。

まとめ

外で拾われた子猫は、思わぬ病気を持っていたり、弱っていたりする恐れがあります。
まずは動物病院で病気がないか、どのようなお世話をしたら良いかたしかめた上で、適切に対応しましょう。

拾った子猫を飼うと決めたら、猫との暮らしのスタートです。
かわいい子猫に癒されながら、毎日のお世話を楽しんでください。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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