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2023.06.09

関節疾患

猫が高齢になると、関節疾患を起こしやすくなります。
関節の病気を患ってしまうと痛みを覚えるケースがあるため、若いうちから注意が必要です。

今回は猫の関節疾患の予防法や、発症してしまった場合の暮らし方について解説いたします。

猫の関節疾患とは

猫にみられる関節疾患は、主に変形性関節症と呼ばれる関節炎です。
変形性関節症になると、関節の軟骨や周囲組織に影響が表れ、身体を動かす際に痛みを感じてしまいます。

シニア猫に多くみられる疾患ですが、若い猫でも発症する場合があります。

一度発症してしまうと完治が難しい病気です。
この後紹介する予防法を取り入れて、関節疾患を未然に防ぎましょう。

関節疾患の兆候

猫にこのような様子がみられる場合、関節疾患の疑いがあります。
早期発見するためにも、普段の様子をたしかめておきましょう。

・あまり歩かない
・階段やキャットタワーを登らない
・おもちゃで遊ばない
・足を引きずっている
・動作がぎこちない
・トイレの出入りがうまくできない
・動きがゆっくりになった
・寝ている時間が増えた
・毛づくろいをしなくなった
・身体の一部をずっと舐めている
・身体に触ろうとすると嫌がる
・怒りっぽくなった

これらの兆候が見られる場合は、早めに獣医師の判断を仰いでください。

猫の関節疾患3つの予防法

猫の関節疾患は、飼い主さんの配慮で予防できます。
覚えておきたい3つの予防法をみてみましょう。

体重管理

猫の体重が標準よりも重い場合、関節に負担がかかります。
年齢や猫種に応じた適正体重を知り、キープできるようにしましょう。

可愛いから、欲しがるからとごはんやおやつを与えすぎてしまった結果、痛みに耐える
老後になってしまっては本末転倒です。

ダイエット用の療法食なども活用しながら、体重管理してあげましょう。

滑りにくい環境

猫の爪が伸びていたり、足裏の毛が長い猫種だったり、滑りやすいタイプの床材だったりする場合、足がすべりやすく関節疾患を発症しやすくなります。

爪をこまめに切る、床がフローリングの場合は爪や毛ですべりにくいカーペットやコルク材、クッション材などを敷く、といった配慮で、関節への不安を減らしましょう。

適度な運動

人も猫も、関節は筋肉で守られています。
適度な運動で筋肉をつけておくと、関節への負荷を軽減できます。

年々運動量が減りがちですが、猫が喜ぶおもちゃやシニア猫でも使える低めのキャットタワーなどを用意して、運動習慣を整えてあげましょう。

発症してしまった場合の暮らし方

関節疾患を発症してしまったら、動物病院で痛み止めを処方してもらいましょう。
サプリメントを併用する場合もあります。

内科的治療が一般的ですが、状態がひどい場合は外科的治療が行われるケースもあります。

適正体重をオーバーしている場合は、ダイエットに取り組みましょう。

運動して筋肉をつける必要がありますが、痛みが強い場合は避けてください。

猫の症状によって、適した暮らし方は変わります。
どのような投薬やダイエット、運動が必要なのか、かかりつけ医で相談してみましょう。

まとめ

猫の関節疾患は、年齢を重ねた猫の変化と似ているため、飼い主さんが気づきにくい病気です。

定期的に通院していても、視診や触診だけではわからないケースがあります。
猫の健康のために、定期検診で血液検査、レントゲン検査を受けておきましょう。

レントゲン検査は、血液検査ではわからない関節のトラブルを早期発見できます。
関節だけでなく、心臓や肺の状態、腎結石や膀胱結石、お腹のしこりなどがみつかるケースもあるため、相談してみてください。

猫種によっては膝蓋骨脱臼、股関節異型性といった関節疾患がみられるケースもあります。

普段と違う様子に気づいたら、すみやかに動物病院を受診してください。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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