- 高齢猫と暮らす
2023.06.09
フードの変更
この記事の目次
猫のフードは年齢に応じて変更が必要です。
高齢になったらどのようなフードを選ぶべきなのか、獣医師目線で解説いたします。
シニアフードに変えるのは何歳から?
猫が高齢になってきたら、シニア用フードに切り替えましょう。
変更する目安は7~10歳です。
意外に若いと思われるかもしれませんが、猫は7歳からシニア期に入ります。
また7歳を超えたら選ぶべきフード、10~14歳以降に選ぶべきフードなど、シニア期の中でもさまざまな種類があります。
どれを選べば良いのか迷ったときは、動物病院で取り扱っている獣医師専用のシニアフードを試してみましょう。
年齢を重ねた猫に適したフードで、長生きをサポートしてあげてください。
シニア用フードは何が違う?
シニア用フードには、年齢に応じてバランスが考えられています。
どのような点に配慮して作られているのか、チェックしておきましょう。
1.カロリーが低い
シニア期に入った猫は、運動量が減ります。
運動量が減っていくのに、成猫用のフードを与え続けてしまった場合、肥満になる恐れがあります。
体重が増えると、関節への負担が大きくなります。
肥満による心臓病や糖尿病の不安もあるため、7歳を過ぎたら運動量に応じたカロリーのフードへ変更しましょう。
2.リンや塩分が少ない
高齢猫は腎臓病のリスクが高くなります。
シニア猫用フードは腎臓への負担が大きいリンや塩分が少ないため、病気予防につながります。
リンや塩分だけでなく、添加物が少ないシニア猫用フードを選ぶと、胃腸への負担を減らせます。
3.食物繊維が多い
運動量が低下する高齢猫は、便秘になりやすくなります。
便秘を防ぐため、シニア猫用フードには食物繊維が多く含まれています。
腸内環境の改善は、免疫力アップにもつながるため一石二鳥です。
4.たんぱく質が少ない
たんぱく質の多い食事を続けてしまうと、腎臓への負担が大きくなります。
シニア期からは、たんぱく質が適正に調整されている、シニア猫用のフードをえらびましょう。
たんぱく質は、筋肉維持などに必要な栄養素です。
過度にカットし過ぎないためにも、専用フードがおすすめです。
たんぱく質の品質にも注意が必要です。
良質な肉、魚が使われているシニア猫用フードで、健康を維持しましょう。
シニア用フードへの切り替え方
いつもの食事からシニア用フードに切り替えると決めたら、猫のストレスにならないように、少しずつ進めましょう。
普段の食事の1割をシニア猫用フードに変える。
問題ない場合は、次の日は2割をシニア猫用フードにする、といった形でちょっとずつ、10日程度かけて変えると自然に切り替えられます。
はじめはサンプルフードや少量入りのフードを選んで、気に入るかどうか試してみてください。
「いつも食べているフードメーカーからシニア食が販売されている」
という場合、そのまま移行すると嫌がりにくいでしょう。
ドライとウェットどちらを選ぶ?
猫のフードは大きく分けてドライフードとウェットフードがあります。
どちらもシニア用の商品が販売されているため、迷ってしまう飼い主さんが少なくありません。
ドライフードには、歯の健康を守れる、傷みにくい、栄養バランスを整えやすいというメリットがあります。一方のウェットフードは、水分補給に役立つ点がメリットです。
歯の健康を考えるとドライフードがおすすめですが、腎臓や尿路にトラブルが起きていて、積極的な水分補給が必要な場合もあります。
取り入れ方で迷ったら、獣医師に相談してみましょう。
まとめ
猫に長生きしてもらうなら、年齢に応じたフード選びも心掛けましょう。
7歳を過ぎて運動量が減ってきたなと感じたら、シニア猫用の食事を選んでみましょう。
シニア向けのフードだけでなく、疾患や体重に応じた療法食も用意されています。
定期的な検診で猫の様子をたしかめながら、最適なフードを選択してください。
特定の疾患などで治療中の子は、獣医師と相談しながら最適なフードを選択しましょう。
- 高齢猫と暮らす