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  • 高齢猫と暮らす

2023.06.09

年をとると寝る時間が長くなる?

猫も年をとると、仔猫や成猫の頃とは違った暮らし方になります。

猫が遊ばない、元気がない、と慌ててしまう前に、シニア期にありがちな猫の変化を覚えておきましょう。

シニア猫にみられる9つの変化

高齢猫になると、これまでとは違う様子が出てきます。
代表的な9つの変化について、解説いたします。

1.よく寝るようになる

成猫の頃は1日14時間程度寝ている猫。
それでも十分長いのですが、シニア期に入ると1日のうち20時間くらい寝ている老猫もいます。
食欲があって元気であれば、特に心配はありません。
ゆっくり眠れる猫だけのスペースを用意してあげましょう。

2.おもちゃで遊ばなくなる

若い頃はずっとおもちゃで遊んでいた、という猫も、年齢とともに遊ぶ時間が少なくなります。無理に遊ぼうとすると、ストレスや体力消耗につながるため、興味を示さない場合はそのままにしておきましょう。

シニア期に入ってから、遊びの好みが変わるケースもあります。好きな遊びがあれば体力維持に役立つため、違ったタイプのおもちゃを試してみるのもおすすめです。

3.白髪が増える

毛色によっては分かりづらいのですが、年齢を重ねると猫も白髪が増えます。
白髪が増えるとともに、グルーミングの時間が減り、毛艶が悪くなる場合もあります。
飼い主さんによるブラッシングで、毛並みを整えてあげましょう。

4.歯が汚れやすくなる

シニア期の猫は、歯に黄ばみができたり、汚れやすくなったりします。
歯石がついてしまうと全身麻酔での除去になるため、仔猫のうちから歯磨き習慣をつけておきましょう。

年齢を重ねると、麻酔のリスクが高まるため、歯石取りができないケースもあります。
歯周病などの病気を進行させないためにも、デンタルケアを習慣化してください。。

5.体重が減る

年を重ねるごとに、ごはんを食べる量が減っていきます。
それに伴い、痩せた印象になる猫が少なくありません。

7歳を過ぎたらシニア猫用の食事に切り替えて、必要なカロリーや栄養素を摂取できるようにしましょう。

自然なことですので問題ありませんが、食べる量が明らかに減っている、急激に痩せた、という場合は病気の可能性があるため、動物病院で相談してください

6.爪が伸びやすくなる

高齢の猫は、遊ぶ時間が減ったり、爪とぎをしなくなったりすることから、爪が伸びやすくなります。そのままにしてしまうと、肉球に刺さってしまったり、フローリングで滑ったりする原因になるため、飼い主さんがこまめに切ってあげてください。

7.目が見えにくくなる

もともと視力が良くない猫ですが、シニア期はさらに目が見えにくくなります。
嗅覚やヒゲ、聴力に頼って行動しているため、問題ないケースがほとんどですが、ふらついている、壁にぶつかるようになった、という場合は、失明している可能性があります。
見えているのかどうか迷ったら、獣医師の判断を仰いでください。

8.耳が遠くなる

視力と同じく、シニア期にはいると聴力が落ちてきます。
音が鳴るおもちゃを振ったり、名前を呼んだりしても反応がない場合は、耳が遠くなっていると考えられます。

視力と同じく、他の器官でカバーできるため、気づかないうちに進行しているケースがほとんどです。聞こえていないかも、と感じたら、動物病院で相談してみましょう。

9.おなかがたるむ

年をとってくると、猫のお腹がたるんできます。もともとたるんでいる猫も多いのですが、高齢になってからは、よりたるみの度合いが強まります。
病気ではありませんが、肥満でたるんでいる場合は健康のために、ダイエットをはじめましょう。

まとめ

高齢になると、猫にもいろいろな変化が訪れます。
心配のない変化もありますが、中には病気が原因で寝てばかりいたり、食欲低下などにつながっていたり、という可能性も考えられます。

定期的に健康診断を受けるのはもちろん、少しでも変化に気づいたら、病院を受診しておくと安心です。

穏やかに老後を過ごせるように、

・高いキャットタワーを撤去する
・またぎやすいトイレに変える

といった配慮をしながら、生活をサポートしてあげましょう。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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