- 高齢猫と暮らす
2023.06.09
ターミナルケア
病気で余命が残り少ない人のために、穏やかな暮らしを届けるターミナルケア。
痛みを緩和したり、不安やストレスを減らしたり、といった配慮が行われます。
人だけでなく、余命を宣告された猫のためのターミナルケアもあります。
病気で残りの時間が少ないと分かったら、どんなケアをしてあげられるのか、そのときのために覚えておきましょう。
ターミナルケアをはじめる前に
猫の病気を完治できず、余命が宣告された場合、ターミナルケアに入る前に飼い主さんの気持ちをたしかめておきましょう。
人が余命を宣告された場合、自分の意思を事前に伝えられますが、猫は話せません。
そのため、どのような過ごし方が最善なのか考え置く必要があります。
家族がいる場合は、全員で話し合っておきましょう。
これからどのような変化が予測されるのかを知り、心の準備をする時間も必要です。
だれが介護を担当するのか。
急変したときはどう対応するのか。
といった点も決めておく必要があります。
少しでも治る可能性を探すために、セカンドオピニオンを受けてみるのも良い方法です。
現状を受け入れることが、ターミナルケアのスタート。
飼い主さんにとってもつらい場面ですが、愛猫が最後まで幸せに過ごせるように、納得のいく方法を選んでください。
猫にしてあげられるターミナルケア
ターミナルケアを選択すると、治療のために動物病院へ通う時間が減り、飼い主さんと静かにゆったり暮らせます。
自宅で猫にしてあげられるターミナルケアについて、具体的な内容をみてみましょう。
食事のケア
ターミナルケア期に入ると、自分でごはんを食べるのがむずかしくなります。
食事の場所まで連れて行ったり、スプーンでごはんを差し出したり、介護食に変えたりして、食べやすい環境を整えてあげましょう。
自力では食べられなくなってきたら、スポイトなどを使った給餌をするのかどうか、検討する時期です。無理に食べさせてでも生きていて欲しいのか、猫が嫌がるようなら自然にまかせるのか、事前に決めておきましょう。
トイレのケア
病気が進行すると、自分でトイレへ行けなくなります。
はじめのうちは飼い主が定期的にトイレへ連れて行く、という方法もありますが、寝たきりになってしまったら、猫用のおむつを使用しましょう。
猫はきれい好きなため、こまめにおむつを交換して、都度拭いてあげるとストレスを軽減できます。
マッサージや体位交換
猫が寝たきりになっている場合、定期的な体位交換で床ずれを防ぎます。
猫が喜ぶのであれば、名前を呼びながらやさしくマッサージしてあげるのもおすすめです。
ターミナルケアは、猫にストレスをかけないことが第一です。
そのため、できるだけそっとしておく方が良いと感じる飼い主さんもいますが、抱っこやなでなで、ブラッシングなど、猫が好きなことは痛みや負担のない範囲で、してあげて構いません。
投薬や点滴ケア
ターミナルケアをはじめた後は、投薬や点滴を自宅で行います。
事前に血液検査を受け、適した薬や点滴を処方してもらいましょう。
症状に応じて、酸素ハウスをレンタルする場合もあります。
投薬や点滴が続く場合は、できるだけ通院を減らし、ストレスなく過ごせるように配慮してあげてください。往診に対応している動物病院の場合は、定期的に様子を診察してもらいましょう。
まとめ
猫の治療をどこまで続けるのか、ターミナルケアが決まったら家族でどう協力し合えるのかなど、できれば猫が元気なうちに考えておいてください。
いざ余命を宣告されてからでは、検討する時間が少ないこと。
その日を前に、飼い主さんが動揺してしまうことから、決定が遅れる場合があります。
ターミナルケアは、獣医師との連携も欠かせません。
分からないことがあれば何でも質問して、できるだけ痛みやつらさが少ない生活を送れるようにしてあげましょう。
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