- 猫を迎える前の心構え
2023.03.09
【獣医師監修】猫を家族に迎え入れるための10か条
この記事の目次
飼い主としての心構え
猫は長ければ20年以上生きる動物です。
責任もって最後まで幸せに飼い続けるためには、事前の心構えが必要です。
今回は、猫を家族に迎え入れる前にチェックしておきたい、10か条を紹介いたします。
10か条
(1) 家族全員が猫を迎えたいと賛成している
ペットを飼うなら、家族全員の賛成を得ておきましょう。
猫が苦手な人が家族にいる場合、お互いストレスを抱えてしまいます。
結婚前の若い世代や子どもがいない夫婦の場合は、転勤や転職、子どもができた時などに猫を飼い続けられるかどうか、将来を考えてから決定してください。
高齢者の場合も、20年後に変わらずお世話できるかどうか検討してから迎えましょう。
(2) ペットを飼える環境にある
猫を飼うなら、ペット可の住宅でなければいけません。
ペット可であってもアパートやマンションの場合、猫の夜鳴きがうるさい、高いところから飛び降りた時に音が響くなど、トラブルになるケースが考えられます。
賃貸住宅では猫が壁で爪をといでしまう、おしっこなどのにおいがついてしまう、という心配もあります。
場合によっては、多額の退去費用がかかるケースがあると覚えておきましょう。
(3) 猫の一生を担う金銭的余裕がある
猫を飼うには、それなりの費用がかかります。
猫用のトイレや食器、ブラシや爪切りなどの準備、毎日の食事やトイレの砂などの消耗品など、年間で12~15万円、一生涯では200万円程度が必要です。
その他にも去勢・避妊手術やワクチン代、病気の際の通院・入院費や薬代、入る場合はペット保険代など、さまざまな出費があります。
猫を飼い続けられる、安定した収入を確保してからお迎えしましょう。
(4) お世話する時間を確保できる
気まぐれのようで実は甘えん坊な猫は、飼い主さんの手厚いお世話が必要です。
食事の用意やトイレ掃除だけでなく、ブラッシングやおもちゃで遊ぶ時間、撫でてあげる時間など、猫とかかわる時間が求められます。
仕事が忙しい飼い主さんの場合、お留守番の時間が増え、寂しい思いをさせてしまいます。
毎日こまめにお世話ができる、具合が悪い場合はすぐに病院へ連れて行ける環境を整えておきましょう。
(5) 猫についての知識がある
猫には正しい飼い方があります。また、
「昔猫を飼っていた」
という方でも、当時の常識と大きく変わっている部分があります。書籍や当サイトの情報などを参考に、知識をアップデートしておきましょう。
猫用のおやつであっても欲しがるだけあげたり、人間の食事を分け与えたり……そんな飼い方をしていたら、猫が将来病気になってしまいます。
猫を飼うと決めたら、お世話の仕方を覚えて、健康に長生きできるように配慮してあげましょう。
(6) ダメなことはきちんと叱れる
猫の中には王様・お姫様気質のタイプが少なくありません。
このような猫を喜ばせたい、怒らせたくない、という思いで、なんでも従ってしまうケースがあります。
なんでも許してしまった結果、猫がどんどんわがままになり、手に負えなくなるケースもあるでしょう。
飼い主さんに手を出したり、噛んだりが当たり前になり、ケガが絶えない毎日になってしまう、テーブルに乗ったり人の食事に手を出してしまう、という恐れもあります。
猫が可愛いのはよくわかりますが、飼い主さんとしてダメな時はきちんと叱れるように心がけましょう。
(7) 猫にとって心地よい家である
猫を飼うなら、猫にとって心地よい家づくりをしましょう。
- 日当たりが良く、外を見られる
- 猫1匹あたり、8畳くらいの広さがある
- キャットタワーや家具など高い場所へ行ける
- 来客時や天災時に隠れる場所がある
これらの配慮ができていれば、猫にとって住みやすい家になります。
猫を迎える前に、自宅環境をチェックしておきましょう。
(8) 介護に備える心構えができている
長生きする猫が多くなり、飼い主さんによる介護が必要になる例が少なくありません。
- トイレに行けなくなった猫のオムツ交換
- 尿失禁してしまった場合の掃除や、便で汚れた身体の清拭
- 食欲不振の場合は、食べやすいようにフードを工夫、給餌
- 自宅での点滴
- 寝たきり猫のマッサージや体位変換
など、抱えているトラブルに応じたケアが必要です。
中には、若くして病気になってしまう例もあります。
猫に何かが起きた時、介護できるように心構えしておきましょう。
(9) 猫の問題で怒らない器の広さがある
猫には猫の常識があって、毎日暮らしています。
人間が困ってしまう壁や家具での爪とぎ、終わらない遊びの要求、お腹が空いたり寂しかったりしたときに鳴き続けるなど、困った行動がみられるケースがあるでしょう。
この時、猫にすぐ怒る、イライラするようなタイプでは、一緒に暮らせません。
違いを許容して、猫と人がともに暮らしやすい家にするには何ができるだろうか? つねに創意工夫すると、良い関係を継続できます。
上手くいかないときは、獣医師の知恵を借りて、猫への正しい接し方を身につけてください。
(10) もしもの時のお願い先がある
猫を飼う準備を万全に整えていても、自分自身が病気になってしまった……そんな“もしも”が訪れる場合があります。
このような事態に備えて、入院中などの預かり先を探しておく、猫を譲り受けてくれる人を見つけておく、といった配慮が必要です。
飼い主さんが責任もって最後まで飼うのが一番ですが、中にはどうしても難しいケースがあります。
飼い続けられない場合も、猫が最後まで幸せに暮らせるように備えておきましょう。
まとめ
猫を飼おうと考えている方は、この10か条を守れるかどうか、先に考えてみてください。
逆に、これだけの覚悟ができていれば、出会った猫を一生大切に育てていけるでしょう。
猫を飼う前に不安なこと、分からないことがあれば、動物病院で相談してみてください。
ペットを飼っていなくても、これから飼いたい方に向けたアドバイスが受けられます。
絶対に幸せにできる! という自信をもって、猫を迎えてあげましょう。
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