- 猫と暮らす
2023.06.06
飼う前に知っておくべきこと
【獣医師監修】猫と人は違う! 猫を飼う前に知っておくべきこと
猫と人、昔から一緒に暮らしてきた身近な存在ですが、生活スタイルや食生活には大きな違いがあります。
猫がストレスなく幸せに暮らすために、猫と人の違いを知り、適切な環境を整えてあげましょう。
覚えておきたい! 猫と人との違い
猫と人には、それぞれの考え方や適した暮らし方があります。
猫と仲良く暮らすために、覚えておきたいライフスタイルの違いをみてみましょう。
食生活
人は炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく食べます。
ですが、猫はそもそも肉食です。そのため食事のメインはたんぱく質と脂質です。
欲しがるからと人間の食事を分け与えたり、身体のためにと炭水化物や野菜を食べさせたりする必要はありません。
人の食事にはネギ類など、猫にとって危険な食品が多くあります。塩分も高いため、猫用の総合栄養食を選んで与えましょう。
人は1日3食食べますが猫の場合、1日2回の猫もいれば、1日4~5回に分ける猫もいます。1日の摂取カロリーが適性であれば、猫に合ったタイミングで大丈夫です。
病気で療法食を使っている場合は、獣医師と相談の上、量や回数を決定してください。
睡眠
「寝子」ともいわれる猫は、1日14時間くらい眠って暮らす動物です。
仔猫や老猫の場合は、20時間くらい眠る場合もあります。
夜行性だと思われがちですが、実は「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」で、明け方と夕暮れに活動する習性があります。
よく観察してみると、朝と夕方に起きて動いている様子に気付くでしょう。
飼い猫の場合は、睡眠サイクルが人に近くなります。
飼い主さんが起きているタイミングでごはんをもらったり、遊んでもらったりしているうちに寝る時間が変わり、飼い主さんと同じ時間に眠りについて、同じくらいに起きるケースもあります。
運動
1日1万歩が推奨されるなど、人にとって運動は大切です。
スポーツジムへ通う人も多く、意識して身体を動かす習慣が求められます。
このような背景もあり、
「猫も外に出して運動させた方が良いのでは?」
「毎日疲れるほどおもちゃで遊ばせた方が良いのでは?」
と考える飼い主さんがみられますが、猫は人間ほどたくさん動かなくても大丈夫です。
猫は短期集中型のため、おもちゃ遊びも10~15分程度で十分。
キャットタワーなど上下運動ができる環境があれば、室内で必要な運動量を賄えます。
外の世界は、猫にとって危険がたくさんあります。
病気や迷子を防ぐためにも、自宅内で運動させましょう。
五感
猫は人より優れた嗅覚や聴覚を持っています。
「遠くで猫缶を開けたり、取り出したりしただけなのに猫が走ってきた」
というエピソードが多く聞かれるように、人間では判別できない匂いや音に反応します。
触覚にも優れ、ひげを使ってさまざまな情報を得ています。
一方で、視覚や味覚は人ほど優れていません。
美味しいものに寄ってきますが、目で見て判断しているわけではなく、嗅覚を生かしています。
味覚も、猫にとって毒であることが多い苦みや酸味は判別できますが、旨味や甘みは感じません。
「生クリームなどのスイーツを食べていると猫が寄ってくる」
という経験があるかもしれませんが、このケースも単純に匂いを好んでいるだけです。
年齢の重ね方は似ている
違いの多い猫と人ですが、年齢の重ね方は似ています。
毛につやがなくなる、肉球が乾燥してカサカサになる、白髪が増える、身体が細くなるなど、人と同じように老化が進みます。
動きが次第にゆっくりになり、毛づくろいなどのお手入れがおろそかになるのも、人と同じです。
毛に覆われているため分かりづらいのですが、年々皮膚がたるむのも共通点です。
つりあがった猫目がおだやかな目つきになる猫もいます。
年齢を重ねると落ち着く人が多いように、短気だったり、臆病だったりした猫が、シニア期に入ると余裕が生まれるケースがあります。
一方で、病気などを理由に頑固になるケースもあり、年齢の重ね方は猫それぞれです。
寿命は違いますが猫と人、健康に気遣いながら、仲良く年を重ねていきたいですね。
まとめ
猫と人には、生活習慣に大きな違いがあります。
飼い主さんがこの違いを理解しておくと、猫にとって心地よい環境になります。
余計なストレスを与えないためにも、人の常識ではなく、猫の常識に合わせてあげましょう。
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