- 猫と暮らす
2023.06.06
予防はどこまでしたらいい?
この記事の目次
【獣医師監修】ワクチンやノミ・ダニ……猫の予防はどこまでしたらいい?
猫を飼うことになって動物病院へ行ったら、いろいろなワクチンや予防を勧められてびっくり、そんな経験はないでしょうか?
またワクチンの種類も一つではなく、どれを選ぶべきなのか、という悩みもあります。
猫にワクチンは必要なのか、どこまで予防するべきか、現役獣医師が解説いたします!
ワクチンや予防は必要?
「室内飼いならワクチンは必要ないのでは?」
そう考える飼い主さんが多いのですが、猫の健康を守るためにもワクチンは必須です。
仔猫の場合は生後8週目以降に1回目、1回目から3~4週空けて2回目を打ちます。
その後は猫のライフスタイルや飼育環境によりますが、年に1度のワクチン接種が推奨されています。
ワクチンを打っていないとペット保険が使えない、ペットホテルを利用できない、というケースもあります。完全室内飼いでも、災害で避難が必要になるなど、外にでる可能性がゼロではありません。
長く元気に暮らしてもらうためにも、ワクチン接種はしておきましょう。
ワクチンの種類と選び方
ワクチンには、以下の種類があります。
・3種混合ワクチン
・5種混合ワクチン
・白血病ワクチン
・エイズワクチン
3種混合ワクチンは、
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
この3つを予防できます。
5種混合ワクチンは、3種に加え、
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア感染症
の2つを予防できます。
混合ワクチンとは別に白血病とエイズ、それぞれ単体の予防ワクチンもあります。
エイズ、白血病ワクチンは打つ部位に注意が必要なこと、ワクチン接種部位肉腫のリスクがあるため、きちんと説明してくれる動物病院を選んでください。
必要かどうかは、外に出る出ないで判断しましょう。
5種混合ワクチンに含まれている「猫白血病ウイルス感染症」は、感染してしまうと3年以内に80%の猫が死んでしまう致死率の高い病気です。
一方で、猫白血病ウイルスに感染している猫の唾液や血液や糞尿から感染するため、外へ出ない猫であれば、感染の心配はほとんどありません。
猫エイズは、主に猫同士のケンカで感染します。そのため、白血病ウイルスと同じく、室内で飼われている猫の場合はワクチン不要です。
完全室内飼いの場合は3種混合ワクチンを、外に出している場合は5種混合ワクチンとエイズワクチンを接種しておきましょう。
室内飼いであっても、保護猫を新しく迎え入れる、という場合は5種を接種しておくと安心材料の一つになります。
ワクチン接種時の注意点3つ
ワクチンを受ける際に、覚えておきたい注意点があります。
猫の健康のためにも、配慮してあげましょう。
既往歴を確認
てんかん発作など既往歴がある猫の場合、ワクチンを打つかどうか慎重な判断が必要です。獣医師と相談の上、決定しましょう。
午前中に接種する
ワクチンを打った後、猫の体調に変化があった場合、午前中であればすぐ動物病院にかかれます。ワクチン接種は、1日通して開院している日の午前にお願いしましょう。
体調が悪い日は避ける
ワクチンは猫にとって負担になります。元気がない、食欲がないなど、体調が悪い場合は副反応がでる恐れがあるため、別の日に延期してください。
フィラリアやノミダニ予防はどうする?
フィラリアというと、犬がかかるイメージが強いのですが、実は猫にもフィラリア症がみられます。寄生虫が猫の体内で成長してしまうと、突然死する可能性がある怖い病気です。
蚊を媒介に感染するため、地域に蚊がいる時期は予防しておきましょう。
猫のノミダニ予防は、1年を通して必要です。
室内飼いでも、飼い主さんの衣類や靴などから入り込む可能性があります。
フィラリアやノミダニと合わせて、お腹の中の虫を駆除できる薬もあります。
どの予防薬を選ぶべきか、かかりつけの動物病院で相談してみてください。
まとめ
室内飼育であっても、猫のワクチンやフィラリア、ノミダニ予防は必要です。
年1回のワクチン接種、必要な予防策で万が一に備えてください。
生まれた時期によってどのワクチン、予防を選ぶべきかが変わります。
獣医師と相談の上、適切な時期にワクチン接種、予防をしておきましょう。
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