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2023.06.06

毛玉を戻す

猫を飼っていると、突然毛玉を吐き戻すことがあります。
病気かもしれないと、あわてて動物病院へ駆け込む飼い主さんも少なくありません。

猫はどうして毛玉を吐くのか。
家でできる対処法はあるのか、くわしく解説いたします。

猫が毛玉を吐く理由

猫が突然毛玉を吐く理由は、毛づくろい中に飲み込んでしまった毛を出そうとしているからです。

飲み込んだ毛の量が少ない場合、便として排出されますが、胃の中に毛が溜まってしまった場合は、吐くことで毛玉を胃から排出します。

胃の中の毛が増えると、胃の動きでもまれ、棒状やフェルトの毛玉のようになります。
この毛玉は、胃液で消化できないため、吐くことで毛が溜まるのを防いでいるのです。

毛玉を上手に吐けない場合、毛球症と呼ばれる病気を引き起こします。

溜まった毛玉や胃と腸の通り道をふさいでしまったり、胃腸の動きを悪くしてしまったり、という恐れがあります。

ひどい場合は、腸閉塞などの大きなトラブルに発展する場合もあるため、吐く回数が多い、吐くけれど毛玉が出てこない、という場合は注意が必要です。

長毛種の猫、吐く力が弱いシニア猫を飼っている場合は、意識して毛玉ケアしてください。
毛球症は短毛種でも発症するため、猫種問わず毎日のケアを心がけましょう。

正しい毛玉ケアの方法を解説

それでは次に、猫にしてあげたい毛玉ケアの方法をみてみましょう。
毛球症予防に覚えておきたい、3つの方法を紹介いたします。

1.こまめなブラッシング

猫ができるだけ毛を飲み込まないように、こまめにブラッシングしてあげましょう。
長毛種の場合は、トリミングで毛をカットすると、抜け毛を減らせます。

部屋の中に落ちているほこりや毛を吸い込み、胃に溜まってしまう場合もあります。
ていねいな床掃除で、毛の吸い込みを軽減してください。

2.猫草を用意する

猫は毛玉を吐き出したいとき、猫草を利用します。

つんつんとした猫草が胃に入ることで、毛玉が吐き出しやすくなる。
食物繊維の摂取につながり、毛玉の排せつを促せる、といったメリットがあります。

無理に食べさせる必要はありませんが、猫草を食べたがる猫、猫草と一緒に毛玉を吐き出せる猫の場合は、用意してみましょう。

3.毛玉ケアできるフードを選ぶ

胃の中の毛玉を排出するために、食物繊維が多く含まれたフードが販売されています。
毛玉をよく吐く猫、長毛種の猫の場合は、動物病院に相談しながら選んでみましょう。

フードを変えた後、便に含まれる毛の量が明らかに増えた、というケースもあります。
猫草を食べない場合も、フードでのケアがおすすめです。

餌や胃液を吐く場合は?

毛玉だけでなく、猫が餌や胃液を吐く場合もあります。

餌や胃液に毛が混じっている場合は、毛と一緒に出てきてしまっただけですが、毛がみられない場合は様子をよく観察してみましょう。

餌を吐くケースは、主にドライフードでみられます。
一度に食べ過ぎてしまったり、ドライフードの種類が合わなかったり、という場合、吐き戻してしまう場合があるでしょう。

胃液のみを吐いている場合は、胃が空っぽになっているかもしれません。
食事の量を変えずに、小分けにして与えると改善される場合があります。

・吐いたものに血が混じっている
・吐いた胃液が普段とは違う色をしている
・明らかに吐く回数が多い
・吐いた後も元気がない

という場合は、病気の疑いがあります。

吐いたものを持参、もしくはスマホで撮るなどして、早めに動物病院を受診しましょう。

まとめ

毛玉を吐きやすい猫は、ブラッシングやフードの見直しなどの、対策をしてみましょう。
短毛種であっても毛球症になるケースがあるため、毎日のブラッシングを習慣にしておきましょう。

また猫はなぜか、吐いてほしくない場所で吐く、という傾向にあります。

突然吐いても大丈夫なように、すぐ取り出せるところに新聞紙を用意しておく、掃除しやすいようにカーペットを敷かない、といった配慮で、片付けを楽にしましょう。

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NEKOTO WATASHI

NEKOTO WATASHI
私たちは猫の様々な病気に向き合って来た獣医師です。これまでに仕入れた知識、これから学んでいくことを「猫とわたし」で発信し、愛猫家の皆様と愛猫ちゃんがいつまでも健康的で幸せでいられる社会をつくることが私たちのミッションとしています。

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